京都市立塔南高校様とNPO法人あすいろによる共同開発「総合的な学習の時間」(以降、「総学の時間」といいます。)授業が、平成29年度入学の1年生普通科6クラスの生徒さん向けに4月18日開始されました。
1年生で約30回ある「総学の時間」のうち、全27回を共同開発・実施予定です。2年生3学期までをひとつのストーリーとした「正解のない学び」カリキュラム。来年度2年生「総学の時間」の共同開発・実施も予定しています。
NPO法人あすいろとしての本授業の取組みは、近い将来、教員の方々のみで実施できる形を目指すことにより、日本全国の生徒が、「正解のない学び」を享受できる仕組みのひとつになることを目標としています。
第1回【オリエンテーション】では、前半10分程で塔南高校「総学の時間」の【全体概要説明】をあすいろ代表の小野からさせて頂き、その後【Mindset(心の在り方)】に関するワークをあすいろ理事の坂井により実施させて頂きました。
【全体概要説明】
塔南高校「総学の時間」の目的は、「唯一の正解がない社会の中で自分にとっての充実した人生を生きる力をつける」こと。
他の誰でもない、『自分にとっての』充実した人生とは何か。そのために必要な力は何か。
これを自分の頭で考え、自分の言葉で語れる力をつける。
一方向で説明を聞く講義形式ではない、個人ワーク、グループワーク、議論などを中心とした授業。
2年生終了時の目標は以下の3つ。
「将来進みたい方向性がイメージできている」
「深く考え、わかりやすく伝えられる力がついている」
「自分の役割を考え行動できる力がついている」
説明の中で何度か出てきた「社会に出たときに必要となる力」という言葉に強く反応し、真剣な表情で聴く生徒さんが多くいました。
そして、重要となる<3つの約束>を共有。
①「お互いを尊重してお互いから学ぶ」
②「自分の考えを積極的に発言する」
③「頭ごなしの否定はしない」
つまり、「学びの主役はここにいる一人ひとり」
ということで全体概要説明を終えていきました。
【Mindset(心の在り方)】
ここから本日の授業本番です。
本日以降の学びを、主体的なものにするため重要となるMindset。
塔南高校「総学の時間」は、『学習者のMindset』を知ることから始まります。
まずは、画像を使ったウォーミングアップ。
近くの席の人とわいわい話しているうちに、場の空気が柔らかくなっていきます。
<机をどけて教室内の好きな場所に立ってください>
ということで、スクール形式に並んでいた机や椅子が、生徒さん達の手で端っこに移動されていきます。
そして、近くの人とペアになり、
この授業を「どのように過ごしたいか?」
を、先生も入り込み、何人かと共有する中でちょっとした交流が広がっていきます。
その後、4人1組になって島型に。
チームで考えるクイズを通して、学習者のMindsetに関する要素を理解していきます。
<Q.成長する人に共通するマインドセット(心の在り方)は?>
「マインドセットには、「Fixed Mindset」と「Growth Mindset」という考え方があります。学習者自身の能力・態度として望ましいのは、「Growth Mindset」を持ち学習することです。」との説明が。
<心の在り方チェック>
あなたはいくつ当てはまりますか?
「Fixed Mindset」と「Growth Mindset」に関する質問がそれぞれ5項目示されました。
各自チェックをし、以下の3つの関係性に当てはめていきます。
①Fixed Mindset>Growth Mindset
②Fixed Mindset=Growth Mindset
③Fixed Mindset<Growth Mindset
「自分がどこに当てはまったか手を挙げてください。」
「①の人?」数名手があがりました。
「②の人?」①よりも少し多く手があがりました。
「③の人?」全クラス過半数の人が手をあげました。
まとめに「Growth Mindset」の鍵概念を共有し、
「不合格ではなく『未』合格という考え方が大切です。」
という説明が。
<最初のレイアウトになって座る>
ということで、生徒さん達の手で元の配置に机・椅子を戻して本日の授業を終えていきました。
(ライター:小野利経)