塔南高校「総学の時間」第22回(1月23日)は、「ニーズを捉えて具体的に考える力をつける」ことを目的とした、5回連続型授業【問題解決力】の第2回目です。

前回の『ターゲットのニーズ予測』に続き、
本日の内容は、『競合商品の分析、具体的な新しい商品の考案』
『競合商品』とは、競争相手(ライバル)になる可能性のある商品のこと。

本日のMissionは、アイパッドを活用しながら、
①「競合商品を分析する」
②「『ペルソナ』のニーズを満たす具体的な新しい商品を『4P』で考える」
という流れで実施。
前回の「『ペルソナ』のニーズを予測する」が終わっていないチームは、ニーズの予測から開始していきます。

まずは、
①「競合商品を分析する」
『競合商品を分析する意味』として、
「中高生に売れるポイント(要素)を客観的に捉えるため。」
「新しい商品を考えるにあたり、競合商品のよいところを参考にして、競合商品との違いを考えるため。」
ということを学んだ後、

「中高生」が実際に食べている、使っている競合商品を調べ、
『ペルソナ』のニーズの全部または一部を満たしていると考える競合商品のよいところ、共通している点などから、『ペルソナ』に売れるポイント(要素)を複数予測していきました。

お次は、
②「『ペルソナ』のニーズを満たす具体的な新しい商品を考える」
現在の技術で実現可能な新しい商品を、クリティカルシンキングの授業で学んだ『ピラミッド構造』を使用して具体的に考えていきます。

今回は、マーケティングのフレームワーク(枠組み)である『4P』を使用。
『4P』とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(場所・流通)」「Promotion(広告)」に分けて考えるフレームワークのこと。「Product(製品)」については、さらに「商品名」「見た目」「味・機能」「素材」「その他」に分けて考えていきます。

また、『新しい商品を考えるポイント』として、
『競合商品との違いを考える』
『コンセプトをつくる』
ということを学んでいきます。

『競合商品との違いを考える』
「似たような商品は世の中に多くある。似たような商品でも売れていない商品は多くある。既に似た商品があるからといって諦める必要はない。それを売れる商品にできるかは別問題。
どのようにすれば『ペルソナ』に売れるのか?を考え、わずかな違いを明確に提供できれば新しい商品となる。競合商品のよいところを盗んだうえで、競合商品とは違うオリジナルな価値を提供する。」との説明が。

そして、『コンセプトをつくる』
コンセプトとは、「全体を貫く基本的な考え」のこと。
『ペルソナのニーズ』と『競合商品との違い』を意識し、「自分たちの商品のウリは何か?どんな価値を提供するのか?」を考え、コンセプトをつくっていきます。

新しさを加える余地が少なく、おいしさの違いが明確にわかるものではない「ミネラルウォーター」の領域において、『おいしくて環境にいい、新しい日本の天然水』をコンセプトに、発売後97日で1億本を突破した「い・ろ・は・す」を例に、『コンセプト』と『競合商品との違い「4P」』を学んだ後、

これまで考えてきたことを元に、「コンセプト」をつくり、『4P』(「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(場所・流通)」「Promotion(広告)」)の枠組みで具体的な新しい商品を考えていきました。

たとえば、こんなやりとりが。

<レインコートを選んだチーム>
(競合商品を調べて)
「え、これめっちゃいいやん!・・・でもダサイ。」
「これで自転車乗ってきたら、何それってなるよな。」
「かわいいのがいいよな?」
「そやな、制服では着れへんけど。」
・・・
「むれにくい、にじゅうまる。」
「ちょうどいいサイズ。」

<前回晩ご飯セットに変更したチーム>
「送料無料は?」
「あ、ここ送料無料や!」
「え、強っ!」

<パンを選んだチーム>
「暗記力上がる食品とあるやん。それ入れるとかにしよ。」
・・・
「似た商品で頭脳パンというのがあるみたいやで。」
「・・・・・。」
「でも、パッケージの見た目がダサい。」
「ほんまや、ダサっ。これなら勝てる!」

<ファーストフードを選んだチーム>
「180円!なかなか・・・。」
「コンビニで売ったらな。でも、ハーゲンダッツは?」
・・・
「バイキングにしたら。」
「バイキング楽やな。」
「人件費かからへん。」
・・・
「一応、相場相場。」
「ライ麦パン。」
「えっ、500g400円!・・・って、どれくらい?」

<おにぎりを選んだチーム>
「安くておいしくて・・・、応援メッセージ。人気芸能人の。
これにしよ。安くておいしくて、松岡修三の応援メッセージが書いてある、シールの裏におみくじが付いてる。」

<お菓子を選んだチーム>
「商品の見た目が・・・。」
「見た目?(ペルソナシートを見ながら)・・・ああ、ペルソナの趣味に合っていないと。」
「うん。」

<スマホアプリを選んだチーム>
「(ペルソナシートを見せながら)この人がどんなゲームを好むのか、によるんじゃない。一人でやるほうを好むのか。ドラクエとか一人やん。パズドラとかをどんどん解いてくのが好きなのか。ストーリーがあったほうがいいのか。この人がどれを好きかによる。一人で考えたい、っていうのがありそう。部活とか勉強とかやりこんでるから、一人でガンガンやるのが好きかも。」
・・・
「やる時間とか金額とか。」
「そうやな。通学時間にやるぐらいやったら無料でできそう。」

<スマホアプリを選んだチーム>
「使いたくなる+儲けんと意味ないやん。」
「広告料で取る。」
「でも、広告いっぱい出てきたらうざない?そこは、有料でしたらいい。」
「そうしたらこっちの競合に取られるやん。」
「取られんような値段にしたらいいわけやん。〇〇〇は100万円くらいするやろ。△△△は何百円とかやけど、その値段ずっと払わないかんやん。」

競合商品を分析する前の時点では、「新しい商品なんてわからへん。難しすぎる。」と言っていたチームもありましたが、競合商品を調べていく中で、徐々に新しい商品のイメージができていった様子でした。

次回(第3回)は、「具体的な新しい商品を考える『4P』」の完成と、模造紙作成などの「発表準備」を実施していきます!

(ライター:小野利経)

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