〜未来へのストーリー あなたは何を大切にしますか?〜

2018年3月11日(日)、関西大学梅田キャンパスにて開催させて頂いた『Life Create AZ ’18<未来ストーリーの創造>』の様子。後編です。

前編の『働く意味』『大切にしたい生き方』に続き、後編は『未来の自分との出会い』『在り方と未来設計』『未来へのストーリー』の様子をお届けします!

【セッション『人生』】で、世代を超えた多様な価値観が交わる中、「自分が何を大切にして生きてきたのか。どんなことを得てきたのか。」「自分が何を大切にして生きていきたいのか。どんなことを得ていきたいのか。」を、それぞれに話された参加者の方々。

今度は、『未来の自分との出会い』1個目のワーク
【社会の中での自分の役割】
<現在>の自分と<未来>の自分の役割をそれぞれに考えていきました。

まずはメンバーチェンジから。社会人と学生が混ざる形で新たな3人グループになっていきます。
<現在>
「今の自分が社会に対して提供できることは何か。社会から何を提供してもらっていると思うか。」
これを、「自分が何を大切にして生きてきたのか。どんなことを得てきたのか。」という点を意識して考え、対話をしていきました。

そして<未来>
「10年後、社会に対してどんなことを提供できる自分になりたいのか。そのために、社会に対してどんな価値あることを提供する「仕事」をしたいのか。」
これを、「それぞれの社会の中における役割」と「自分が何を大切にして生きていきたいのか。どんなことを得ていきたいのか。」という点を意識して考え、対話をしていきました。

ここでいう『社会』とは、
「世界」「日本」「大阪府」「豊中市」「地域」「会社」「学校」「家族」「友達」 など、大きな集まりから身近で小さな集まりまで含むもの。

たとえば、こんな『10年後のなりたい自分』がありました。
<どんな人・社会に対して、どんなことを提供して、何を得たいのか(お金以外に)>
・友達に対して、安心感・情熱を提供して、信頼とエネルギーを得たい。
・社会人に対して、ビジネススキル・志を教えて、社会をよりよくしたいと思う仲間を得たい。
・高校生に対して、アイデアづくりの手助けを提供して、自分の新しいアイデアを得たい。
・子どもに対して、安心・居場所・衣食住・選択肢・自由を提供して、成長を見守る母としての自分を得たい。

・これからの社会をつくっていく若い人々に対して、安心して働ける環境づくりを提供して、一緒に明るい未来を見続けたい。
・何をやりたいのかわからずなんとなく時間をつぶす人に対して、その人が本来持っている能力を活かしてもらえる場を提供して、「本当に生まれてきてよかった」という人たちを増やしたい。
・嫌々仕事をする人に対して、人生の使い道を考える機会を提供して、ワクワクした姿を得たい。
・配偶者を亡くされた老人に対して、人とのつながり・生きがい(1日1日の目的)を提供したい。

・自然(虫や生き物達)に対して、環境を保護する活動を提供して、命の尊さや自然が存在する意味を知りたい。
・家族に対して、明るく楽しい生活の場を提供して、家族の喜び・自分の幸せを得たい。
・会社に対して、労働力・アイデアを提供して、信頼と自信を得たい。
・家族の崩壊に対して、孤児院というよりも人材育成の場・New Familyの枠を提供して、心のつながりを得たい。

・町内会に対して、ファシリテーション・コミュニティ・つながりづくり・会計などを提供して、有事の時のサポート体制・まちづくり会社を得たい。
・ものづくり業界の中小企業に対して、地道な活動・積極的な足で稼ぐ活動を提供して、ニッチトップを得たい(地域No.1の診断士)。
・発展途上国に対して、正確な衛生学を提供して、その国の平均年齢をあげる・笑顔・命を得たい。
・日本に対して、コミュニティのロールモデル(分散型・持続可能なローカルコミュニティ)を提供して、日本が安心して豊かに暮らせる良い場所になったという実感を得たい。

お次は、『未来の自分との出会い』2個目のワーク
【未来日記】
まずはメンバーチェンジ。昼休憩を一緒に過ごしたメンバーとの再会。
徐々に未来の自分に出会うイメージをし、10年後の自分に出会っていきます。

2028年3月11日土曜日。大安。
10年前(2018年3月11日)に考えた、「社会に対してどんなことを提供できる自分になりたいのか。」「社会に対してどんな価値あることを提供する「仕事」をしたいのか。」を実現し、歩みたい人生を歩んできた自分。

「今どこで何をしていますか?」「この10年の間に、どんなことがありましたか?」など、7つの問いを未来の自分に問いかけていきました。

そして、10年振りに再会したメンバーとの対話。
最初はちょっとハニカミながらも、徐々に盛り上がっていく会場の空気。時間がたつにつれて、どんどん楽しそうな会話と笑顔で会場が包まれていきました。

時は徐々に戻り、2018年3月11日。現在へと帰っていきます。

【在り方と未来設計】
個人ワークとセッション形式での実施。
先程出会った10年後の自分を振り返り、「譲ることのできない自分の軸として、今の自分の中に在る」と感じることを、それぞれに見つけていきます。
そして、『在り方』との合致を意識しながら、改めて『なりたい自分』を考えていきました。

NPO法人あすいろが定義する『在り方』とは、「譲ることのできない自分の軸に従い、考え行動している自分の存在の仕方」のことです。

『在り方』と『なりたい自分』を押さえた後、10年後の『なりたい自分』に向け、「何をするのか。」「何を得ていく必要があるのか。」を考え、グループ内全員で1人が話し手、残りの人が聴き手となるセッション形式で、それぞれに深掘りをしていきました。

最後のワーク
【未来へのストーリー】<統合>

今日1日考えてきたことを元に、自分にとって重要と思うことを、ワークシートの各欄に書いた後、
『過去』『現在』『未来』をつなげるストーリーを創造し、自分が思うままの『ストーリータイトル』をつけていきました。この『ストーリータイトル』は、「自分の生きたい人生を表す言葉」となります。

そして、自分が主人公のストーリーを一人ひとり語り、今日1日を終えていきます。

最後に、『Life Create AZ<未来ストーリーの創造>』のコンセプトに込められた想いなどを聴き、
【多様な価値観が交わる中で、生きたいストーリーを創造する一日】
を終えていきました。

『Life Create AZコンセプト図』

以下は、参加者アンケートの一部抜粋です。
■社会人
・本当にこのようなステキな場を頂いたことに感謝です。かけがえのない時と出会いになりました。本当に来てよかった。大切なことを皆が自分と真っすぐ向き合ってくれているからこそ気づかしてもらった。(20代)
・自分が普段考えている将来への指針をよく確かめることができた。中高生と話す中、自分のその時と比較をした。その時の自分がとった選択は間違っていなかったと思った。(20代)
・過去・現在・未来を振り返ったり、考えたりすることが新鮮だった。未来を考えることがとことん苦手だから、ゆっくり考える必要があると思った。優しい人が多かった。年齢ではなく、個々の個性にあると感じた。今はまだ自分がゴリゴリ進む時期だけど、年を重ねるごとに下の世代への配慮がうまれていくのかと思った。(20代)
・皆が積極的に前向きな方たちばかりで話していてすごく刺激を受けました。すごく高校生や中学生がしっかりしていて話せて楽しかったです。すごく良い雰囲気でよかったです。集中できました。(20代)

・多くの人としゃべる機会と、1つのグループで深める機会の両方をバランスよく一日の中で配分してくれていた。若い人の共通点と違いを体感した。(30代)
・プログラムがきめ細かくてアウトプットがしやすかったです。学生の話をきき、可能性が広がることを感じた。(40代)
・多くの人々が世代を超えて新しいグループを作って対話していく様子が驚きでした。たくさんの人々がいろんな考えを持ち共有できることが視野を広げるよい機会になりました。(40代)

・今の自分に何が必要か気づかせてくれるイベントでした。また、自分の気づいていない自分(何を本当に求めているか)も少し解ったような気がしました。人生120年という考え方の方がいらっしゃって、そう思えば私にもまだまだ可能性があると思えた。(50代)
・自分の中での考えが整理できた。人を助けるだけでなく、自らもチャレンジしたいという気が明確になった。(50代)
・いくつかのワークの中で、多くの世代、価値観の人と出会い、かつ、自分のことも改めて振り返ることができた。中高生ながら素晴らしくしっかりとした考え方をお持ちの複数の方に接し、まだまだ日本は大丈夫!と思えた。ひるがえって、大人がしゃきっとしないと、と自省した。(60代)

■大学生
・ワークを通して自然と自分のやりたいことが見えてきた。社会人の方々からは人生の先輩として勉強になることが沢山聴けた。中高生の方々からは率直な意見の中にもしっかりした方が多く勉強になった。
・内容がとても濃かった。また、高校生~社会人までの多くの人の考え方も知れて新鮮だった。仕事を選ぶうえで、大企業、ベンチャー、公務員など大きなカテゴリーに分けて見ていたが、人によって色々な見方や考え方があると知って学びがあった。色々な生き方や働き方があるなと思った。

・幅広い世代の方達に会って深い話ができてすごく新鮮だった。学生でも社会人でも志の高い層の人と滅多に会えないのですごく楽しい場でした。目的・ゴールからの逆算が大事だなと思った。どの世代も熱量のある方達ばかりですごく感激した。
・多様な価値観に触れ大変良い刺激となった。新たに得た視座の下、自己を内省し、自分の価値観、人生の目標について再度思考・再認識することができ、決意新たにまた進んでゆこうと思えた。「働く」とは何かについて多様な意見が出て面白かった。「働く」という言葉のイメージの問題や働くことのアート的側面(創造的、共創的、偶発的)に改めて気づくことができた。

■高校生(+中学生)
・予想を超えた学びを身につけました。年齢層が幅広くて最初は怖かったけど、皆それぞれの理由がとてもしっかりしていてすごいタメになりました。世代が超えていたけど皆いい人達ばかりですごい話やすかったです。
・自分のしたいことがとてもクリアになった。他の方の話を聴いていて、自分もこんなふうに目的意識をもって人生を過ごしていきたいと思った。自分の親世代の方や大学生の方と話す中で知らなかったことを知ることができた。
・自分が本当にしたいことを見つけることができたうえに、それについてのアドバイスや今まで考えたことがなかったことについて考えられた。自分が普通だと思っていることが社会人で働いている人からすれば普通ではなく、現実的なアドバイスを頂けました。
・自分が何をしたいのか漠然としていたけど今回の企画でより深く考えられた。自分の中で考えていたことが変わったり、明確になっていくのがわかって楽しかったです。

・たくさんの人と日頃できない話をしたり、アドバイス等を言って頂けたので、これからの生活の考え方が変わりそう。人見知りの私でも気軽に話すことができたのでよかったです。同じ経験をしている人でも考え方が違ったり、年齢関係なく話をすることによって親や先生からは得られない考え方がありました。
・たくさんの社会人や大学生、高校生と交流できて、なおかつ、いろいろな知識を得ることができた。まるで同年代の人と話しているようなテンションだった。
・他人に意見を述べることが得意ではなかったが、この機会を通して自分から発信することができるようになった。
・想像以上に年齢層の幅が広かった。ここに来なければ聞けない話がたくさんあった。40代になっても人生の方針を変えようとする方がいることを知っておどろいた。それほど重い話題なんだなぁ・・・。

(ライター:小野利経)

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