~高校生300名 × 社会人70名で未来のキャリアについて多様な可能性を知る~

「10年後、あなたはどんな未来が広がっていると思いますか? どんな仕事をしていますか?」
この問いに即座に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

未来を見据える問いにとことん向き合い、多様な生き方にふれる場があれば面白いのではないか?
そんな意識のもと、2017年11月25日、大阪府寝屋川市にある香里ヌヴェール学院にて、NPO法人あすいろは「高校生300名 × 社会人70名」のLife Career AZというイベントを開催しました。

イベントの目的は、高校生が世代を超えて多様な価値観や考え方を持つ人と交わり、「働くこと」や「職業観」について考え、生き方の可能性を広げること。
ファシリテーターは、高校1年生の部、高校2年生の部をそれぞれ、NPO法人あすいろ共同代表の小野、宮本が務めました。

イベントのダイジェストをお伝えします。

第1部:社会人インタビュー
前半は、一チーム4,5人の生徒さんが1人の社会人を囲んで行う、キャリアインタビュー。簡単なウォーミングアップ、自己紹介タイムを通して、打ち解けていきます。
その後、1人ずつ計3名の社会人に、職業観や働き方などについて質問をしていきます。

社会人の職業、バックグラウンドは実に多彩。
会社員、起業家、個人事業主、副業、パラレルキャリアなどなど。
例えば看護師、市役所の職員のように、高校生が比較的イメージしやすい仕事もあれば、
キャリアデザイナー、企業の経営企画など未知な分野の仕事もあります。

今の職業のやりがいは?
なぜその仕事に就こうと思ったのか?

社会人に問いかける中で、次第に高校生メンバーが現時点での将来の夢を語る場面が見られました。
まだ漠然としている人も、明確に決まっている人も様々ですが、色んな進路の可能性があるし、これからいつでも変更可能だということを学んでいくチームもありました。

以下、「社会人インタビュー」に関する高校生の振り返りの一部抜粋です。

①『社会人インタビュー』を通して、印象に残ったこと、感じたことは何ですか?
~高校生の振り返り~
「今までは社会人の話なんて聞く必要ないだろ。と思っていました。しかし、今回のインタビューを通して少し新たな世界に自分が入ったことを実感しました。」

「今まで、将来後悔しないようにと進路を考えていたけど、大人になってから他の事を始める人も多かったので、今やりたいことをやればいいのかなと感じた。社会人は、ただ一生懸命働いているのかと思ったけれど、その中で夢や野望ももっていてかっこいいと思った。」

「一番印象に残っているのは、自分のやりたいことをあきらめないということ。この言葉は、今までに何度も聞いたけれど、どうしても、そう言われても・・・と思うことが多かった。でも実際に自分のやりたかったことを実現している人を見て、夢は1つじゃなくてもいいんだと思えた。」

「全ての職業において、大変なことつらいことは多くあるけど、その中でやりがいを感じ、今の職業に誇りを持っているということが分かった。将来について真剣に考えるきっかけとなりました。」

「仕事の大変さは、クリアしていける大変さだというような話を聞いて、その時その時の自分の最大の力を出せば、何事にもトライして解決していけるんじゃないかと思いました。」

「やりたいことは1つではないといけないと思っていたけど、社会人の方から、夢はいくつも持ってもいい、やりたいことをやるんだ、など良い言葉をたくさん頂いて、私も話をしてくださった方々みたいに働いていきたいと思いました。」

「世の中には、世間一般でみられるような、警察官や医者などの職業だけでなく、人と人とをつなぐコミュニケーションの仕事や、人の上に立って仕事をする仕事、そして人の手助けをする仕事があることに気づいた。職業1つ1つは決して自立しているわけではなく、会社や他の職業の人たちとの関わりによって成り立っているのだと感じた。」

「人と接することは大事だなと思いました。私は昔から人と接することが苦手だけど、今回のインタビューを通して、人とコミュニケーションをとったり、接することは、とても大事だなと思いました。これからは、怖いと思ったりしても、一歩前を踏み出して、自分から色んな情報を発信したいなと思いました。」

「どんな仕事に就きたいかよりも、どんな人とどんなことができるかを考えて仕事を選んだという話を聞いて、人との関わりを見る目は大切だと思った。」

「社会人の方の「大変なことばかりだけど喜んでもらえるときがうれしい」という言葉がはなれません。」

「声にできない声を形にしていくという言葉が印象に残りました。」

「苦手なものでも、仕事にすると好きになったり、変わることがあるんだと思った。」

「その仕事についたきっかけが深かった。世の中には、王道な職業だけじゃない。影で支えている仕事をしている人の方がカッコいいなと思いました。」

「現在、立派な社会人であったとしても、皆スタートは同じで、けっして完璧な人生を歩んでいるわけではないと感じた。」

「「今やれるやれないは関係なく、やりたいことをする!」それが印象に残りました。」

「やりたいことが途中で変わっても、しっかり計画すれば、それなりに成功できるし、一つの仕事にこだわらず、色々なことに挑戦してみるという考え方もよいなと感じました。」

「人のため、人に役立つために働いている人が多いと思った。自分の経験したことを今の仕事に役立てている人が多かったから色々なことを経験しようと思った。皆さん話しやすくて、こういう人柄が仕事で役立っているのかなと思った。」

「自分の視野や世界が広がった。自分の知らない職業について知れて楽しかったし、もっと他の職業について知りたいと思った。どうしてその職業についたとかも面白かった。自分にしかできないことってなんだろうと考える機会になった。」

~社会人の振り返り~
「質問してもらう事で、改めて自分が仕事に対するやりがいをどう感じていて、どういう姿勢で取り組んでいて、どういう事を大変に思い、喜びを感じているのかという事を考え教えてもらうことができました。」

「あらためて、自分が生み出している価値を考えることができました。高校生にわかる言葉で話そうと思うと、表現がむずかしかったです。」

「質問に対して回答が伝わらない。考えていたつもりでも、シンプルな言葉・メッセージになっていない。特に、職業経験のない高校生に伝える事の難しさを感じた。コミュニケーションの基本を忘れていた気がした。」

「職業の名前は知っているが、その実体を知らない仕事は多くありそうだ。その仕事を体験するのもよいが、このような機会で現場の声をきくのは良いと思う。その仕事についた動機を知りたがる学生さんが多かったが、学びながら芽ばえる動機もあると改めて自分で気づいた。」

「どうして、その職業に就こうと思ったのか、何にやりがいを感じるのかをインタビューしてくださり、言葉にしていく中で、自分の大切にしている価値観を改めて気づくことができた。」

「職業に対するイメージや知識は学生では得づらい。一方で、社会人では思いつかない観点の質問があって、ユニークな視点に驚いた。社会人と学生の接点を増やして、職業選択や進路選択のアンマッチを防ぐことは重要。」

「社会人の印象が「大変そう」「忙しそう」と「楽しそう」「選択肢が増えてそう」との両極端で興味深かった。」

「仕事について具体的に考えている子もいれば、「生きるためにしなきゃならないもの」と、ややネガティブに捉えている子もいて興味深かった。いくつも質問し、メモを取ってくれる子もいた。質問だけでなく、対話をすることで、色々と答えが出てくるものだと感じた。」

後半の記事では、高校生・社会人の混合チームで10年後の未来を考えていただく「未来想像ワーク」の模様をレポートします。
どんな未来図が描かれるのか、高校生・社会人の発想のコラボレーションにご注目ください!

(ライター:松尾美里)

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