塔南高校「総学の時間」第17回(10月31日)は、『枠組みをつくり伝える』ということで、伝えるための枠組みを中心に実施していきます。「考える力、伝える力の向上」を目的とした、3回連続型授業【クリティカルシンキング】の第2回目です。

「『枠組み』とは、「心技体」「走攻守」「5W1H」など、ポイントを整理して伝える(考える)ためのもの。ただし、既存の枠組みを当てはめるだけでは限界があるため、伝える(考える)にあたり、「どういうポイントを押さえる必要があるか?」を考え、『自分で』枠組みをつくれることが大事。」
との説明が。

まずは、ウォーミングアップ【言葉説明ゲーム!】
ペアで実施していきます。
伝える役の人が、表示された複数の言葉を1つずつ説明して、聴く役の人に当ててもらうゲーム。ジェスチャーは禁止、辞書のような説明の仕方で説明してもらいます。

たとえば、こんな説明とやりとりが。
「東京で一番でかいタワー」「東京タワー!あ、違う、スカイツリー!」
「数学のエックスとワイイコール・・・」「方程式」
「お風呂上りにお肌とか顔にぬる」「化粧水」 (男子にはわからない)
「アルファベット3文字」「TPP!」 (この説明で、なぜか正解・・・)
「北海道の恋人!」「白い恋人?」「正解!」「恋人言ったらあかんやん!」

「まつげをぐわっとあげるやつ」
「まつげを長くする、はい!」
(「まつエク」の説明、男子にもかろうじてわかる・・・のか?)

「女子がキャーとかいうやつ」
(「ジャニーズ」の説明)

「AKBとか。ううん、総称。地下一階とかで活動してる。」
(「地下アイドル」の説明)

「ふかいの逆の原っぱみたいなとこ。地名。」
(「浅草」の説明、当てるのムズカシイ・・・)

男子「メジャーリーグ。日本選手。有名。」女子「サッカー?」男子「ちゃう、野球。」
(「イチロー」の説明やりとり)

<終了後>
「語彙力がないから・・・(難しい)」
「あー、アインシュタイン。ベロ出てる科学者。」
「パンプスって何?」

各クラス2回実施(1回1分30秒)した中で、伝わった数の平均は5個くらい。最も多く伝わったペアだと、12個も伝わっていたペアがありました。

ウォーミングアップを踏まえて、『どんな説明が伝わりやすいのか?』を考えていきます。
「その言葉が属するカテゴリーを捉えて、大きなカテゴリーと特徴を説明すると相手に伝わりやすい。
これを『枠組み』に当てはめて考えると、ポイントを押さえた大きなカテゴリー(例:心・技・体)を複数つくり伝えることにより、わかりやすく伝わる。」

また、『相手の立場に立ち予測する』ということで、
「聴く役の人にとって当てやすそうな言葉か、当てにくそうな言葉かを予測して選んだか。
言葉自体は知っていても、相手にとって興味がありそうなことかどうかにより当てやすそうな言葉か、当てにくそうな言葉かが変わる。そのため、相手の立場に立ち予測することを意識する必要がある。」との説明が。

お次は、本日のメインMission
【自分達で枠組みをつくりアピールポイントを伝える!】を実施していきます。
テーマは、
「京都に行くか?大阪に行くか?迷っている観光客に対して、京都または大阪に来てもらうためのアピールポイントを伝える!」

まずは、京都と大阪どちらをアピールするのかを選択。京都の高校での実施のため、京都が多いかと思いきや、意外にも多数のグループが大阪を選択。
その後、京都または大阪(選択した方)に来たほうがいい理由(何があるか)を思いつく限り出していきます。
そして、「観光客の定義づけ」ということで、どんな観光客にアピールするのかを決め、付箋をグルーピングして「枠組み」をつくり、定義づけした観光客の興味をひきそうなキャッチコピーを各枠組みにつけていきました。

たとえば、こんな内容が。
<どちらをアピール?>
大阪
<どんな観光客?>
高校生、女、奈良在住、パリピ、女4人の夏休み
<枠組みでアピール>
「なんぼでも食える!」「なんぼでも行ける!」「なんぼでも揃う!」

<どちらをアピール?>
大阪
<どんな観光客?>
小学生、中学生、41歳、48歳の4人家族で旅行
<枠組みでアピール>
「交通の便がいい」「息子に嫌だと言わせない観光スポット」「息子に嫌だと言わせない美味しい食べ物」
<その枠組みにした理由>
「いろんなジャンルがあって、どれか言えば当たるやろというオールマイティなところが、息子に嫌だと言わせないから。」

<どちらをアピール?>
京都
<どんな観光客?>
外国人、留学生、20代、女性、友達と4人で京都めぐり
<枠組みでアピール>
「有名な観光スポットが多い京都市内をバスを利用してめぐる」
「京都らしい食べ物が気軽に食べられる(インスタ映え)」
「他の県では見られない景色のよさ」

<どちらをアピール?>
京都
<どんな観光客?>
外国人、23歳くらい、別れそうな若いカップル、職場恋愛、日本好き、インテリアを扱う仕事、木材が好き
<枠組みでアピール>
「一緒に撮ろうよ人気キャラ」「インスタ映えする乗り物GOGO」「お腹もいっぱい心もいっぱい」
<その枠組みにした理由>
「目指すのは、別れそうな若いカップルがラブラブになって仕事も順調、みたいな感じだから。」

最後に、
『枠組みをつくり伝える意味』『ピラミッド構造で情報整理する』
そして、定義づけした観光客の立場に立ち、「観光客が何を求めているのか?」「何が伝われば、その観光客に響くのか?」を『相手の立場に立ち予測する』ということを学び、本日の授業を終えていきました。

(ライター:小野利経)

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