塔南高校「総学の時間」第13回(9月12日)は、相手の話に耳を傾けて聴く『傾聴』。そして、傾聴で受け取った言葉や感情をそのまま相手に伝える『反映』を学ぶ時間。3回連続型授業【対話力】の第2回目です。
まずは、『傾聴』から。
1学期の積極的傾聴の振り返りを兼ねたウォーミングアップをした後、
『聞く』と『聴く』の違い、
『聴く』とは、「注意深くきく場合。じっくり耳を傾けてきいている状態。」
そして、傾聴とは、『耳と目と心できくこと』を学び、
「きく」の3段階
①『聞く』
単にきく場合。集中してきいていない状態。
②『耳で聴く』
相手の話す内容に意識を集中してきいている状態。
③『耳と目と心で聴く』
相手の話す内容だけでなく、表情、目や手の動き、声のトーンなどから、口に出さない感情もきいている状態。
傾聴において大切なことは『好奇心を持って聴く』こと。
「相手のことを知りたい気持ち」この気持ちがあると、自然に耳・目・心が相手に向かう。
ということを学んでいきます。
【『聞く』を『聴く』に変える練習】
Aさんの「きいて~。間違えて、別の人にメール送っちゃった! 最悪だ‥」
という言葉に対して、どんな返事をすれば『聴く』といえるのかを考えます。
たとえば、こんな答えが。
◆『耳で聴く』の返事
「え~。最悪だね。」
「誰と誰を間違えたの?」
「どんな内容のメール送ったの?」
「その人から何てメール来たん?」
◆『耳と目と心で聴く』の返事
「すごい落ち込んでるね。」
「すごく嫌そうだね。」
「悲しそうな顔してるね。」
「負のオーラが出てるよ。」
その後、2人1組で話し手と聴き手に分かれ、
エクササイズ①【『耳と目と心』で相手の話を聴く】を実施。
聴き手は、話を聴いた後、聴き手が気づいた話し手の態度や感情について、話し手に伝えていきます。
たとえば、こんなことを伝えていました。
・ニコニコしてた
・そわそわしてた
・体が動いていた
・目が輝いていた
・話してる途中テンション高かった
お次は、『反映』
対話における反映とは、「傾聴で受け取ったことをそのまま相手に伝えること」
<言葉の反映>と<態度・感情の反映>を実践していきます。
エクササイズ②【言葉の反映(オウム返し)】
たとえば、こんなオウム返しが。
・打ち上げ花火見に行ってん。花火よかったわ。(よかったんやね)
・東京に行きたい。(東京なんだ~)
・写真撮ってもらいたいです。(撮ってもらいたいんだ)
エクササイズ③【態度・感情の反映】
たとえば、こんな態度・感情の反映が。
・顔の表情から雰囲気が伝わってきた。
・声が高くなっていて楽しさが伝わってきたよ。
最後に、傾聴と反映をやってみて気づいたことを振り返り、本日の授業を終えていきました。
たとえば、こんな振り返りが。
・話を聴いてもらっている感じが強かった。
・傾聴することによって、相手の気持ちを自分なりに理解することができる。自分も気持ちよく話すことができる。
・普段気づかないうちに、相手の表情や話し方で感情を読み取っているということがわかりました。
・相手の少しの変化を感じることができた。詳しく聴いてほしい内容だと思うところは、よく目が合ったなどの変化に気づけた。
・反映されると、ちゃんと聴いてもらえていると思った。
・オウム返しされるより、感情を返してもらったほうがうれしかった。
・反映をしないとすぐ話が終わってしまうけど、反映をすると話が広がっていく。
・傾聴だけでは話の内容がうすくなってしまうけど、感情を反映すると、話の内容が濃くなることに気づいた。
(ライター:小野利経)