2017年2月11日に開催された「中高生×社会人」架け橋イベント。
後編では、ディスカッション後の各グループの発表と、振り返りの模様を一部お届けします!
白熱した議論の後は、各グループの発表タイムへ。
前編でちらっとお伝えした「ユニバーサルデザイン」のソリューションを考えていたグループはどうでしょうか。彼らが着目したのは、日本人口の約12%を占める左利きの人の人たち。「左利きで困っている人がいることを知ってもらおう」という観点から、「左利きカード」の配布や「左利きデー」の制定、半円型の「ユニバーサルデザインの机」の発明を提案。「左利きデーでは、右利きの人もVC(バーチャルコンソール)を使ってゲーム感覚で左利きの人の状態を体験できるそうです。これで日本人口の12%の人たちのストレスが減って寿命が延びます」。社会保障費削減にまでつながるとは壮大ですね!
このほか「一度会った人の顔が覚えられない」という課題から、「名刺データを電子化、フラッシュカード化して、毎日クイズ形式で顔を覚えていく」というゲームを考えたグループもありました。「今後は紙ではなくスマホで名刺データを交換できるようになっていく。一度会った人が別のイベントで近くにいたら、『〇〇さんがいますよ』と教えてくれるサービスもつくりたい」という斬新なソリューションが出てきました!
また、授業中に眠いと感じる学生向けの「眠気コントロール(測定)」というサービスを提案したグループも! このグループが着目したのは、眠くなるような授業をしている先生たち。AI技術を使って学生の体温や心拍数などを測るカメラで「眠気を感じている学生の数」を感知し、眠い学生が多発している授業を行っている先生を、校長先生にそっと知らせるというアイデアが出ました。
これで授業の質もますます向上するし、学生も眠気を解消して授業をより能動的に受けられるようになる。おまけに校長先生にとっては自校の学力がアップする。いいことづくめですね!
このほか、どのチームも、「そうきたか」と思わせる独自性と社会的意義に満ちたアイデアを発表してくれました。50分の限られた時間で、これほど多彩で、面白いアイデアが出てくることに、イベント主催者もびっくり!
発表後の感想シェアタイムも盛り上がる一方。中高生からは「知らないメンバーで一緒に話し合ってアイデアを出していく。こういうイベントが本当に大好き。またぜひ参加したい」と、力強く前向きな声が続出でした。
一方、企業人からは「社会課題への意識がとても強い」「みんなの発想がすごく柔軟で、面白くて現実的に検討できそうなアイデアばかりで驚いた。今、新規事業立ち上げの部署にいるので、そのメンバーにももっと気軽にアイデアを出し合おうと伝えたい」などなど。自社では得られなかった刺激を大いに受けている様子が伝わってきました。
永野さんからはワークの締めくくりとしてこんなメッセージが。
「ここでアイデアを出して終わりではなく、『このアイデアいいな』と思った人に自ら声をかけて、一緒に形にしていくチームを組んだり、『こんな活動を始めたから発表の場を設けてほしい」と、どんどんあすいろやみらいラボに話がきたりする状態を期待しています』と。
最後に、「世界で過酷な仕事」という動画を見て、その職業が何かあてるというクイズに。
それは24時間、1週間休みがなくて、給与もなく、色々な仕事を兼務する現場総監督。
「そんな職業あるの?」と思っていたら、あるのです。それは「お母さん」。
「お母さんの苦労を軽減するというように、身近な人の課題を解決する視点も大事にしてほしい」。そんなメッセージとともに濃密な約3時間弱のイベントがお開きとなりました。
終了後も中高生、企業人ともに、目を輝かせながら活発に名刺交換をしている風景が印象的でした。
ここで生まれたつながりもアイデアも、明日の新たな挑戦の一歩につながっていくことでしょう。あすいろ、みらいラボではこうしたイベントを今後もぞくぞく開催していきますのでこうご期待!
(ライター:松尾美里)