塔南高校「総学の時間」第14回(9月19日)は、相手の話を聴いて、自分が感じた相手の素晴らしいところを伝える『認知』を学ぶ時間。3回連続型授業【対話力】の第3回目です。
まずは、【アイデア出しの場での認知】
認知とは、「ある対象に対する自分の認識」
相手のアイデアの良いところを伝えるワークを実施していきます。
やり方のポイントは、
①「いいね!」と必ず言う
②そのアイデアの良いところを伝える
③「さらに言うと」と自分のアイデアを伝える
テーマは「京都に新しく作るテーマパークのアイデア」
たとえば、こんなやりとりが。
◆アイデア+良いところ
「スポーツ施設」(それのいいところは、スポーツが身近に感じられるところ)
→(さらにいうと)「京都のお屋敷を使ったお化け屋敷」(それのいいところは、京都は心霊スポットが多いから)
→(さらにいうと)「大きいプール」(それのいいところは、関西暑いから皆で入れるところ)
→(さらにいうと)「プールだけじゃなく温泉もある」(それのいいところは、プールの後、疲れを癒せるところ)
◆アイデアのみ
「はんなりと走るジェットコースター」
→(さらにいうと)「自分でスピードコントロールできる」
→(さらにいうと)「浴衣着て乗る」
「京都のものを使って自分でつくることのできるテーマパーク」
「ジェットコースターに乗りながら、八ッ橋をつくりつつ、京都の寺回る」
「動物『で』遊べる遊園地」
「京都にテーマパークはいらない!東京とは違う!」という意見も。
相手のアイデアの良いところを伝えることに慣れた後、
本日のメイン【対話における認知】
対話における「認知」とは、「ある対象(=人)に対する自分の認識」
相手の話を聴いて、自分が感じた相手の素晴らしいところを伝えていきます。3人1組になり、話し手1人と聴き手2人に分かれての実施。
テーマは「心から感謝していること」
たとえば、こんな会話と認知が。
「自分のためにお金を使ってくれている親に感謝している。」
(認知)当たり前と思わずにちゃんと感謝しているところがえらい。やさしい。
「近畿高校ユースが迫っている中で、先生や先輩に練習を支えてもらったこと。」
(認知)努力家で先生への思いやりがある。自分を信じられる人。
「中3の受験生のときに毎日塾に送ってくれた家族。自分は勉強できへんけど、送ることはできると親に言われて、ちゃんと考えてくれているんだなぁ。支えられているんだなぁ。と思った。」
(認知)ちゃんと感謝を感じられているのがいいな。
「中学の担任の先生が、受験の高校選びのときに、他にも生徒がいるのに自分のために時間をしっかりとってくれた。自分に合う学校を見つけるために助けてもらった。人生にでっかく関係することやから。」
(認知)不明
「入学してすぐ声をかけてくれたクラスの皆に感謝している。中学校ではやさしい人はいなかった。皆から声かけてもらってうれしかった。家に帰ってから泣いた。」
(認知)感謝されている当人なので、認知するの難しい。。。照れる><
◆認知のみ
・母親想いですね
・相手のいいところに気づけているね
・愛がある人
・兄弟思い
・いいやつだなぁ
最後に、『認知』をやってみて気づいたこと、学んだことの振り返り、『対話力』全3回の振り返りをして、本日の授業を終えていきました。
たとえば、こんな『認知』の振り返りが。
・認知されるとうれしいし、認知されて喜んでいる相手を見るとうれしい。
・話しやすさにつながる。
・認知は相手のよいところをたくさん気づける。
・話の中で相手の良いところを見ることができて、会話がポジティブになる。
・認知は、自分では分からない自分が分かるので、自分はこういう風に思われるんだと興味を持てた。
■以下は、『対話力』全3回の振り返りの一部です
・人に受け入れられているとわかっていると話しやすいと感じたので、自分が人の話を受け取れるようにしたいと思いました。
・人の意見について、まず肯定し、それに自分の意見を付け加える形で見る世界を広げたい。
・授業の回数を重ねるごとにだんだん、人が話していることをよく聴き反応できた。
・自分が話したことについて友達が反応してくれるとうれしかったし、逆に反応がないと興味がないのかなと思ったので、普段の生活でも人が話していること、人の意見をよく聴いて反応していきたい。
・友達と話していて、相槌をうってもらったり、反映してくれたり、質問してきたりすると、自分が話していることをしっかり聴いてくれている感じがして、すごく嬉しくなった。自分もそう思ってもらえたらいいなと思った。
・普段しゃべるときも、相手の感情とかをちゃんと読み取って、自分ばかりしゃべるんじゃなく相手の話をきく。
・話している中で認知や反映などすると、話し手は話しやすいし、聴き手も相手のいいところが見つけられるし、大事なことだなと思いました。
・相手が話をしている時はそれだけに集中し、自分の話をする時は、その時起こったことだけでなく、それまでの経緯なども話せていけたらと思います。
・対話力で学んだことは相手にされるとうれしいことばかりなので自分もできるようにしたいです。
・話すことは好きだし、いろんな人の個性を知ることは楽しいけど、聴き手にまわると、どう返していいのかわからなくなったりするので、すんなりと返すことができるようになりたい。
(ライター:小野利経)